パール 7H
私が最初に使ったスティックは、150円とか300円のいわゆる練習スティックで、それこそその日に折れたり、三日で折れたりするような代物でした。
はじめてバンドに参加した頃、ドラムも先輩や同級生の借り物で、スティックも借りて使っていました。
「お前、スティックぐらい買えよ」
金はなかったけど、スティックすら買えないほど貧乏だったわけじゃない、なんというか本気じゃなかったんだと思う。同級生であり、ドラム仲間であり、最大のライバルであった坪内くんに付き合ってもらって、旭川の国原楽器店で買ったのがこれだった。
自分のスティックではじめてステージに立った時のことは、今でも忘れない。
今年は色々あって、バンドをやめようと思ったり、ドラムも売って処分しようかと思ったこともあった。「ドラムなくなっちゃったらどうすんですか?」と言われたけど、スティックと魂(ソウル)だけあれば、いつでもドラムは始められるし、またそれを受け入れてくれる仲間がいることもわかった。それが、今年最大の収穫だった。
初心に返るなんて書くと気取っているみたいだけど、そんな気持ちでおおみち楽器店でこのスティックを見つけて買ってしまった。20数年以上モデルチェンジしていないスティックがあったこともちょっとうれしかった。KOTA君に聞くと「今でもイチバン売れますよ」とのこと。見ての通り、何の変哲もないし、流行(?)のミュージシャンのシグネイチャーモデルでもない。
イイモノは変わらないし、認められ続けるんだと思った。変な話だけど、なんか、励まされている様な気がした。
7Hのあとは、同じ様なデザインの102H(つのだ☆ひろモデル)を買い、より大きな音が出るようにだんだん太いスティックへと変わっていった。最近になって、大きな音や太い音はスティックにはあまり関係ないと気付くようになってからは、細いスティックが気に入っている。
そんなんで、このスティックを使ってみると、13mmと細いけれど、グリップエンドが細く絞ってあるおかげで重心が先の方にあり、意外とパワーを乗せやすいことがわかった。スティック自体は軽いから、コントロールもしやすい。楕円のチップはヘッドに面で当たるので、実際の音量以上に音圧感があるし、音に表情も付けやすい。ジャズなんかでやるようにレギュラーグリップでスネアに対して「立てる」様に当てると特にいい音がする。シンバルの音もいい。
昔、このスティックじゃ物足りなかったんじゃなくて、自分の技量が不足していただけだったんだな、と再確認したわけです。
ドラムに限らないけど、楽器を買い換えたり、買い足したり、そういうことをするのは楽しいけど、初心に返ってスティック一組だけでできることを考え直そうと思った次第です。
年の最後に、だらだら書いちゃったけど、来年もまた楽しくドラムが叩けるように頑張りたいと思います。それでは。
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